老犬の涙やけケア|嫌がる子にも優しい取り方とフード改善法
涙やけが気になる。でも、拭こうとすると顔を背けられる。嫌がる様子を見ていると、無理に触るのも申し訳なくて、結局そのままになってしまう。そして気づけば、目の周りの色がどんどん濃くなっていく。
「ひどくなる前に何とかしたいのに」と思いながら、毎日ため息をつく日々。
私も、同じ悩みを抱えていました。
けんしは顔を触られるのが苦手で、涙やけの取り方を工夫しようにも、まず触らせてもらえなかったのです。
この記事では、老犬が嫌がるときの涙やけの取り方と、フードを中心にした無理のないケアについてお伝えします。
完璧に拭き取らなくても、できることはあります。
老犬が涙やけのケアを嫌がる理由
涙やけがひどくなっていくのを見ていると、つい「きれいにしてあげたい」と思います。
でも、老犬にとっては、顔を触られることそのものが、負担になっている場合があります。
若い頃は平気だったのに、年を重ねると感覚が敏感になることがあるのです。
視力が落ちて、急に手が近づくのが怖い。
皮膚が薄くなって、拭かれる刺激が痛い。
耳が遠くなって、声をかけても気づかず驚いてしまう。
そういった理由で、涙やけの取り方を実践しようとしても嫌がるのは、けっして飼い主を拒んでいるわけではないのです。
けんしも、最初は軽く拭こうとしただけで逃げていきました。
目の周りは特に敏感な場所だから、触られたくないという意思表示だったのだと、今なら分かります。
だからこそ、無理に拭き取ることだけが、涙やけの取り方ではないと気づくことが大切でした。
フードを見直して体の内側から整える

嫌がるなら、無理に触らない。
その代わりに、体の内側から涙やけを穏やかにする方法を探しました。それが、フードの見直しです。
添加物の少ないフードに切り替える
涙やけがひどくなる原因のひとつに、フードに含まれる添加物や質の低いタンパク質があります。
老廃物がうまく排出されず、涙として出てくることで、目元が変色しやすくなるのです。
けんしには、無添加で原材料がシンプルなフードを選びました。肉や魚が主原料で、穀物が少ないもの。
それに変えてから1か月ほどで、涙の量が少し落ち着いてきたように感じました。
このフードは香りがよく、けんしも喜んで食べてくれます。
ただ、粒がふやけにくいタイプで、シニア期になってからは
別のフードと混ぜてあげています。
水分をしっかり摂らせる
老犬は、喉の渇きに気づきにくくなります。
体内の巡りが滞ると、涙やけもひどくなりやすい。
だから、フードをふやかしたり、ささみを茹でた汁を加えたりして、自然に水分を摂れるよう工夫しました。
これは嫌がることもなく、むしろ喜んで食べてくれたので、続けやすかったです。
アレルギーの可能性も疑ってみる
すべての犬に当てはまるわけではありませんが、特定の食材が体に合っていない場合、涙やけがひどくなることがあります。
我が家は、魚ベースのフードに変えてからは、目元の状態が少し穏やかになった気がします。
涙やけの取り方を考える前に、まず原因を減らす。それが、フードでできることでした。
嫌がるけんしと向き合った日々
正直に言えば、最初は焦っていました。
「このままでは、もっとひどくなる」と思って、なんとか拭こうとして、嫌がられて。
そのたびに、自分が無力に感じました。
ある日、けんしが私の手を避けて、部屋の隅に行ってしまったことがありました。
その姿を見たとき、涙やけを取ることよりも、けんしが安心して過ごせることの方が、大事なのではないかと思ったのです。
それからは、無理に拭くのをやめました。
代わりに、寝ているときにそっと湿らせたガーゼで触れる程度にする。
起きていて機嫌がいいときに、ほんの数秒だけ優しく撫でるように拭く。
それだけでも、少しずつ溜まった汚れは取れていきました。
完璧な取り方ではないけれど、けんしが嫌がらない範囲でできることを続ける。
そう決めてから、私自身の気持ちも楽になりました。
無理なくできる涙やけの取り方

嫌がる老犬に対して、どうすれば負担なくケアできるのか。
実際に試してよかった取り方をいくつかご紹介します。
寝ているときにそっと拭く
けんしが深く眠っているときに、ぬるま湯で湿らせたガーゼをそっと当てる。強くこすらず、優しく押さえるだけ。
これなら嫌がることも少なく、少しずつ汚れを取ることができました。
おやつを使って気をそらす
大好きなおやつを舐めている間に、反対側からそっと拭く。数秒で終わらせることがポイントです。
嫌な記憶を残さないことが、次につながります。
拭くのではなく触れる程度にする
涙やけの取り方にこだわりすぎると、かえって負担になります。
完璧に拭き取ろうとせず、ただ優しく触れるだけでも、固まった汚れは少しずつ柔らかくなります。
毎日続けることで、ひどくなるのを防ぐことはできるのです。
フードで体質を整えながら待つ
すぐに結果を求めず、フードの見直しで涙の量を減らしていく。
時間はかかりますが、嫌がる子にとってはこれがいちばん穏やかな方法でした。
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今だから言える気づきとまとめ
老犬の涙やけは、無理に取ろうとしなくてもいいのかもしれないと、今では思っています。
嫌がるなら、触らない日があってもいい。
その代わりに、フードを見直して、体の内側から整える。
それだけでも、ひどくなるのを防ぐことはできます。
けんしと暮らす中で学んだのは、涙やけの取り方に正解はないということでした。
犬によって、性格によって、そのときの体調によって、できることは違う。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、今日できる範囲で続けることなのだと思います。
もし今、涙やけが気になっているのに、嫌がられて困っているなら、まずはフードから見直してみてください。
そして、拭けなかった日があっても、自分を責めないでください。
少しずつでいい。無理なく、穏やかに。
それが、老犬にとっても、飼い主にとっても、いちばん心地よい取り方なのだと思います。

