老犬が寝る時間が増えたとき、知っておきたい理由と穏やかな暮らしの整え方
年齢を重ねた愛犬の様子が少しずつ変わっていくと、ふと不安になることがあります。
「老犬になって寝る時間が増えた気がする」
「食べてすぐ眠ってしまうのは大丈夫なのかな」
「フローリングで寝てしまうのは寒くないのかな」
けんしと暮らす中で、私も何度も立ち止まってきました。
調べてみると、これは老犬に見られやすい自然な変化も多いと知り
気持ちが軽くなった経験があります。
この記事では、一般的な根拠と実体験を合わせて
老犬の眠りと向き合う、穏やかな視点をお届けします。
老犬が寝る時間が増えたときに知っておきたい理由と背景
老犬は、若い頃に比べて、眠っている時間が長くなることがよくあります。
一般的には
シニア期の犬は1日のうち、12〜18時間ほど眠って過ごすことが多いとされています。
眠りが増える背景には、いくつかの自然な理由があります。
● 体力の回復に時間が必要になるため
年齢を重ねると、少しの活動でも疲れやすくなり、休息を多く取りたくなります。
● 昼夜のリズムがゆるやかになるため
老犬は「夜になるとグズる」「寝る前に落ち着かない」など
生活リズムの変化が見られることがあります。
● 冷たい床で眠る理由
体温調整をしようとする行動とされ、暑い日だけでなく
少し涼しい日でも、床で休む犬は多いといわれています。
● 食事のあとの眠気は自然な反応
副交感神経が優位になり、体が休息モードに入るため
横になりやすくなるのは、一般的な生理反応です。
けんしも、13歳を過ぎたころから
食事の時間と散歩の時間
あとは、夕方から夜の間の少しの時間以外は、ほとんど眠るようになりました。
これも調べてみると「よくある変化」と知り、気持ちが整っていきました。
老犬の眠りを見守るために家庭で整えられる5つの工夫

ここでは、けんしと過ごす中で
実際に役立ったものを中心に、すぐできる工夫をまとめます。
① 日中に少しだけ刺激をつくる
短い散歩や、日向ぼっこをするだけでも、心地よいリズムが整います。
② 寝場所を選べるようにする
柔らかいベッドとフローリングの両方で、自分で心地よい場所を選べます。
けんしも季節に関係なく、床を選ぶ日があります。
③ 食後は軽く体勢を整えるだけにする
食後すぐ眠っても問題ないことが多いため、無理に起こさず
横になる姿勢だけ整える程度でじゅうぶんでした。
④ 夜に落ち着ける空気をつくる
照明を落とし、静かな声で呼びかけると、寝る前に安心しやすくなりました。
⑤ 足元の段差や滑りやすさを少しだけ見直す
安心して横になれる環境は、眠りの質にもつながります。
どれも大がかりなものではなく、小さな積み重ねが
心地よい時間をつくっていきます。
変化を見つめながら、揺れた気持ちとそこからの学び
「急に静かになったみたい」
「こんなに眠っていて大丈夫かな」
何度もけんしの呼吸を確認していた時期がありました。
食べてすぐ眠る姿、床で丸くなる姿。
その一つひとつを、心配とともに見つめていた日々。
調べていくうちに、老犬は眠りが増えることが自然という
一般的な知識に出会い、安心することができました。
不安の奥には、大切だからこその気持ちがあること
観察しながら寄り添うだけで、犬は落ち着いた時間を過ごせること
けんしが教えてくれた、静かな学びでした。
そして、ふだんとは少し違う様子が続くときは
かかりつけの獣医さんに相談すると、更に気持ちが整うこともあります。
日々の変化に気づける飼い主の視点は、とても大切だと感じています。
≫≫ 犬が布団を掘る理由と、夜に落ち着かせるコツ:安心できる習慣
老犬の眠りと暮らすためのやさしい視点

年齢を重ねた犬の眠りの変化は、心配になることもありますが
一般的には自然なリズムと重なることが多いものです。
大きく構えなくていい。
できる範囲で環境を整えながら、今日の様子をそっと見守るだけで十分です。
老犬の寝る時間が増えたときは
「変化に気づける自分」を肯定してあげてください。
その視点が、これからの穏やかな暮らしにつながっていきます。
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