老犬の歯周病で治療できないと悩むあなたへ
愛犬の口元から漂うにおいに気づいた瞬間、心がざわつきます。
「もっと早くケアしておけばよかった」
という思いが、胸の奥から湧き上がってくるのです。
13歳を迎えた愛犬。
心臓に持病を抱えています。
積極的な治療を受けさせることは難しい状況です。
歯周病を放っておくと、全身に悪影響が出ると聞きます。
でも、何もできない現実があります。
このもどかしさは、言葉では言い表せません。
静かに眠る愛犬の横顔を眺めながら、過去を振り返ってしまう夜もあるでしょう。
そんなあなたの気持ちが、少しでも楽になればと思います。
私の家のポメラニアン「けんし」との暮らしを、ここに綴らせてください。
≫≫ 歯科専門の獣医師が開発 [歯磨き・歯石とり・歯垢を徹底サポート/獣医師が開発後悔という名の愛情
けんしは13歳のポメラニアンです。
数年前から心臓の病気を抱えています。
最近、口のにおいが強くなってきました。
若い頃には2度、全身麻酔で歯石除去をしました。
ただ、けんしは歯磨きが大嫌いでした。
嫌がって暴れる姿を見ると、心が痛みました。
以前飼っていた犬が、歯磨きガムで歯並びを悪くした経験もあり、ガムの使用も控えていました。
そうした選択の積み重ねが、今の状況を招いています。
「あの時、もっと頑張るべきだった」
「判断を誤ったのではないか」
そんな考えが、頭の中をぐるぐる回ります。
でもそれらの選択は、すべてけんしのためだったはずです。
痛い思いをさせたくない。
怖がらせたくない。
そう考えた結果です。
あなたが感じている後悔は、深い愛情の裏返しなのです。
≫≫ 老犬の涙やけケア|嫌がる子にも優しい取り方とフード改善法
完璧を手放す勇気

動物病院で歯磨きをお願いしようとしました。
けんしは激しく興奮してしまいます。
心臓がバクバクと鳴る様子を見ると、これ以上は無理だと判断せざるを得ません。
老犬との生活では、医療で解決できないことに直面します。
そんな時、「完璧」を諦める覚悟が必要になるのかもしれません。
けんしのご飯は、ドライフードをしっかりふやかしています。
胃腸炎の対策も兼ねた食事です。
柔らかいフードは、歯に残りやすいという問題があります。
それでも、美味しく食べて体力を維持することを第一に考えています。
自宅でできる工夫を、できる範囲で続けています。
まず、無理に歯ブラシは使いません。
濡らしたガーゼで優しく拭く程度です。
食後には少量の水を飲ませて、口の中をすすぐようにしています。
これらは劇的な効果があるわけではありません。
でも、愛犬の心臓に負担をかけてまで歯磨きを強行するより、穏やかな時間を守る方が大切だと感じています。
今のけんしには、それが最善の選択だと思うのです。
小さな変化を認める
「何もしてあげられていない」
と自分を責めていませんか。
そんな時は、今日愛犬がご飯を美味しそうに食べた姿を思い出してください。
歯周病があるからといって、これまでの愛情が無意味になるわけではありません。
むしろ、不安を抱えながらも寄り添い続けるその姿勢こそが、愛犬にとって何よりの支えです。
若い頃のような勢いはなくなりました。
ガツガツと食べる姿は、もう見られないかもしれません。
時々、寂しさを感じることもあります。
それでも、ふやかしたフードを一口一口大切に食べる姿は、とても愛おしいのです。
健康だった頃とは違う愛犬の姿。
ゆっくりとした時間の流れの中で、新しい愛情の形を発見できるはずです。
正解のない道を歩む

老犬との毎日には、明確な答えがありません。
治療できない歯周病という現実は変わりません。
でも、今この瞬間の「穏やかさ」を優先することは、決して間違った選択ではないのです。
あなたは十分に頑張ってきました。それは間違いありません。
過去の自分を許してあげてください。
そして、今の愛犬がリラックスして過ごせていることに目を向けましょう。
焦る必要はありません。少しずつでいいのです。
その子に合った、心地よい距離感のケアを見つけていきましょう。
私もけんしと一緒に、一歩ずつ前に進んでいます。
完璧ではない毎日です。
でも、愛情に満ちた日々です。
あなたの愛犬との時間も、きっと同じはずです。
不安な気持ちは消えないかもしれません。
後悔が時々顔を出すこともあるでしょう。
それでも大丈夫です。その感情さえも、愛情の証なのですから。
今日も愛犬は、あなたのそばで安心して過ごしています。
それが何よりも大切なことです。一緒に、この道を歩いていきましょう。
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