犬が薬を飲まないときにできること|老犬と穏やかに向き合う工夫

蒸した野菜と薬を並べた老犬ケアの準備

老犬になると、薬を飲ませることが思いのほか難しくなることがあります。
口に入れても吐き出したり、警戒して口を開けなくなったり。
大切な薬だから焦ってしまうけれど、無理に飲ませようとすると、お互いが疲れてしまいます。


この記事では、13歳のポメラニアン・けんしとの日々を通して
犬が薬を飲まないときにできる工夫と、安心して向き合うための考え方をまとめました。

老犬が薬を飲まない理由を知る

老犬が薬を嫌がる理由はいくつかあります。
嗅覚や味覚などの感覚が変化して、苦味や匂いに気づきやすくなることもあります。
また、食欲が落ちているときや
過去に無理やり、薬を飲まされた経験がある場合は、警戒してしまうことも。


体調が悪い日や気分がすぐれない日もありますから
「今日はどう感じているのかな」と様子を観察することが大切です。
原因を知っておくことで、無理のない方法を選びやすくなります。

犬が薬を飲まないときに試した工夫

けんしは、食べることが大好きです。
そのおかげで、薬の時間も工夫しやすいほうかもしれません。
人参やさつまいもを蒸して、その中に薬を包んであげます。
食欲が落ちているときは
蒸したささみやかぼちゃに変えることも。蒸しキャベツもお気に入りです。

ただ、大きめの薬は吐き出すこともあります。そんなときは、フードに混ぜて一緒に食べさせます。
朝に受けつけない日は、少し時間をおいて、10時ごろにもう一度試してみることもあります。
それでもどうしても難しいときは、まずは落ち着いて様子を見ます。


基本的には、薬はきちんと飲ませることが大切です。
どうしても続かない場合は、獣医師に相談して、薬や形状を変えてもらうようにしています。


無理に押し込むよりも、「次はどう工夫しようか」と考えるほうが
犬にも飼い主にもやさしい時間になります。

老犬が薬を飲まない日に焦らないための心構え

薬を飲まないと、つい「なんとかしなきゃ」と焦ってしまいます。
けれど、犬にとっては「今どう感じているか」がいちばん大切です。
食べない日があっても、翌日は元気にしていることもあります。

焦るよりも、「次はどうすれば飲みやすいかな」と考えるようにしています。
飼い主が落ち着くと、犬も安心します。
薬を飲ませる時間は、ただの義務ではなく、信頼を積み重ねる時間でもあると思います。

犬の薬との向き合い方と飼い主の気づき

食事を楽しむシニア犬

けんしと暮らして感じるのは、「完璧じゃなくていい」ということです。


薬をきちんと飲ませることは、もちろん大切ですが
うまくいかない日があっても、それは責めることではありません。
できなかった日の分まで、次の時間を大切にすればいい。

どんな日も、犬と向き合う優しさが、いちばんの薬になると感じています。
これからも、獣医師に相談しながら、けんしのペースで暮らしていきたいです。