食事と体調管理|シニア犬に合う暮らしの整え方

けんしは、年を重ねた今も食欲旺盛です。
朝ごはんの時間になると、目を輝かせてこちらを見つめ、
「早くちょうだい」と小さく鼻を鳴らします。
その姿を見るたびに、ほっとします。
食欲があることは、元気のバロメーター。
けんしの場合、それがいちばんわかりやすい体調のサインになっています。
もちろん、若いころとまったく同じではありません。
噛む力や消化のペースはゆっくりになり、
フードの形や硬さを少し変えるようになりました。
介護の始まりって、こうした小さな変化を
「気づいて、合わせていく」ことなのかもしれません。
食事を「整える時間」にする
けんしのごはんは、ドライフードをお湯でふやかし、
スプーンで軽くつぶして与えています。
食欲はとても旺盛で、そのままだと早食いになってしまうので、
少しでも消化しやすいように柔らかくして、
飲み込んでも体に負担がかからないようにしています。
膵炎を経験しているため、脂質が低めのフードを3種類ほど用意し、
日ごとに交互で与えています。
同じものが続くより、体調にも合っているようです。
薬をあげる用に使う、茹でている野菜(別記事で紹介予定)の切れ端を細かく刻み、
少し混ぜてあげることもあります。
味つけではなく、栄養と香りをほんの少し足すような気持ちです。
≫≫ 老犬がご飯を食べないときに試したこと|食べてくれる工夫と私の実体験
水分を飲ませるのではなく寄り添う
けんしは、ほとんど水を飲みません。
先代のポメラニアンの1/5くらいの量かもしれません。
だから、特に夏は多めの水でフードをふやかしています。
それでも足りないと感じる日は、
野菜やささみを茹でたときの茹で汁を少し混ぜます。
そのまま冷凍しておき、必要なときに解凍して使います。
無理に飲ませるより、自然に水分を取れる工夫を心がけています。
暮らしの中で、体を守る
おやつは、茹でた野菜やささみだけ。
老犬なので、体重が増えても減っても良くないから、
ごくシンプルに、でも「一緒に食べる楽しみ」を大切にしています。
室温は、獣医さんから「心臓病の子は、夏は人が寒いくらいがちょうどいい」と教わりました。
エアコンは一日中つけっぱなしにして、温度を一定に保っています。
冬は逆に、お腹を冷やさないように腹巻きを。
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けんしの食事・うんち・呼吸数などは、家族で共有できるアプリに記録しています。
担当した人が毎日入力し、変化があればすぐに確認。
「気づく」「整える」「見守る」その習慣が、
けんしとの毎日を支えてくれています。
老犬の食事と体調管理は、情報や数値よりも、
一緒に暮らす目線がいちばんの頼り。
昨日できなかったことが、今日できるかもしれない。
それを見守る時間そのものが、介護のやさしさなんだと思います。

