老犬介護で仕事を休むべきか迷ったら。心を整えて決める3つの視点

老犬の介護をしながら働く日々。
夜中の介助で寝不足のまま出勤して、仕事中も「大丈夫かな」と心ここにあらず。
休みたくても簡単には言い出せない。
そんな日々を過ごしているあなたへ。
私も同じように迷いながら、老犬のけんしと暮らしています。
この記事では、仕事を休むかどうか迷ったときに、私が感じたことと現実的な向き合い方をお話しします。
老犬介護と仕事の両立がつらいときに知ってほしいこと
「急に休めない」「迷惑をかけたくない」
そんな思いから、限界まで頑張ってしまう人も少なくありません。
私も、そのひとりでした。
けんしはこれまでに二度入院し、体調が急に崩れることもありました。
けれど、私の仕事は急に休める立場ではなく、申し訳なさと不安でいっぱいの日々。
それでも勇気を出してお願いしてみると、思いがけない温かさに出会いました。
職場には、以前に老犬を看取った人や、子どものように愛していたペットを亡くした人がいました。
「ペットのことなのに」なんて誰も言わず、「家族のことなんだから」と自然に受け入れてくれた。
その理解に、涙が出るほど救われました。
それでもやはり、休むことには勇気がいります。
責任を感じるし、周囲に迷惑をかけたくない気持ちも強い。
だから我が家では、家族で話し合いながら、順番に休みを取る形で介護を続けています。
入院時の面会も、誰かが少しずつ調整して行く。
それが私たちの、チーム介護の形です。
老犬介護で仕事を休むのは甘えではない。心を守る休み方
介護のために仕事を休むとき、多くの人が罪悪感を抱きます。
「みんな頑張っているのに」「私だけが休むなんて」
そんな気持ちが自然と湧いてくる。
でも本当は、休むことは甘えではありません。
無理を続けて倒れてしまえば、介護も仕事も続けられなくなります。
「休む=整える時間」だと考えて、自分の心と体を取り戻すことが、結果的に愛犬のためにもなります。
老犬介護で仕事を休む前にできる3つの準備
- 有給休暇・時短勤務を相談してみる
日本には「ペット介護休暇」の法制度はまだありません。
けれど、人の介護制度を参考に、柔軟に対応してくれる職場も少しずつ増えています。
「家庭の事情」として相談するだけでも、理解を得られることがあります。 - 頼れる人やサービスを探しておく
動物病院の一時預かりやペットシッター、家族・友人の協力など、部分的に助けを借りましょう。
「自分だけで全部抱えこまない」ことが、介護を長く続けるコツです。 - 自分の体調管理を最優先にする
睡眠不足や食事の乱れは、介護疲れのサイン。
あなたが元気でいることが、愛犬にとっていちばんの安心です。
老犬介護中に「退職してもいい」と思えた理由

けんしの体調が悪化したとき、私は一度こう考えました。
「いざとなれば、退職してもいい」
人は死ぬときに、しなかったことを後悔するといいます。
やって後悔することより、やらなかった後悔のほうが深い。
だからもし、けんしのために仕事を手放すことになっても、私は後悔しません。
仕事はまた見つけられる。
でも、けんしと過ごす今は、もう二度と戻ってこないからです。
海外では「ペット・リーブ」を導入する企業も
海外では、イギリスやアメリカの一部企業が「ペット・リーブ(Pet Bereavement Leave)」と呼ばれる制度を導入しています。
社員のメンタルケアの一環として、ペットの喪失や看取りのために数日休める仕組みです。
ただし、国の法律で義務化されているわけではなく、企業の自主的な取り組みです。
日本でも、いつかこうした制度が広がっていってほしい。
家族の形が多様化するいま、動物を家族と認める社会が少しずつ育っていくことを願っています。
老犬介護と仕事の両立。焦らず、自分と愛犬に優しい選択を
老犬介護と仕事の両立は、誰にとっても正解のない課題です。
休むことを決めるのも、働きながら続けるのも、その人なりの優しさです。
大切なのは、あなたが壊れないこと。
焦らず、自分と愛犬のために最も穏やかに過ごせる方法を選んでください。
休むこともまた、ひとつの愛のかたちです。

