ポメハゲの治療 しない選択と向き合う日々|原因がわからなくても一緒に歩く暮らし

ポメハゲが続くと
「どうしてこんなに抜けてしまうんだろう」
「治療しても変わらないのは、なぜなんだろう」
そんな気持ちが、胸の奥に溜まっていきます。

私も、同じ道を歩いてきました。
頭と手足以外の毛がすっかり薄くなり
黒い地肌が見えるほどの時期がありました。
病院で調べても、シャンプーを変えても、何も変わらない日々。

老犬を支えるつもりが、気がつけば自分の方が戸惑ってばかりで
「治療しないで様子を見るしかないの?」と
ため息をついたこともありました。

この記事は
・治療しない選択をしている間の気持ち
・家庭でできるささやかな工夫
・原因がはっきりしなくても前へ進めたこと

そんな体験をまとめました。

同じ悩みの中にいる飼い主さんが
すこしだけ息をつけますように。

けんしの変化

● Before:不安でいっぱいだったころ

けんしが7歳を過ぎた頃、急に毛が薄くなったことに気が付きました。
最初は「季節の換毛かな」と思っていたのに
日が経つほど、背中もお腹も、ふわふわだった部分が姿を消しました。

病院では「甲状腺の影響かもしれない」と言われ、薬も出されました。
けれど、どれだけ続けても改善は見えず
シャンプーを変えても同じでした。

「治療をしても変わらない」
その事実が、思っていた以上に心を重くしました。


その頃の写真がこちらです。

毛が薄くなった時期のポメラニアン・けんしの背中
● Turning point:冬の小さな発見

そんな毎日が続いたある冬
背中に、すこしだけ柔らかな毛が戻っていました。

驚きよりも
気づかないほどゆっくり育ってくれたことに
「この子の体のペースを信じてみよう」と思えた瞬間でした。

それから数年は
冬は生えて、夏はまた抜けて、を繰り返しました。
まるで季節と呼吸しているみたいでした。

● After:いまのけんし

今のけんしは、13歳とは思えないほど毛がふっさりしています。
理由は今でも、はっきりわかりません。
でも、調べていくうちに
「トリミング時のバリカンが合わなかったのかも」と思うようになりました。

先代のポメは、バリカンでも平気だったので
まさか原因になるとは、気づきもしませんでした。

●私なりの結論の出し方

けんしの毛の変化で不安になっていたころ
私なりに調べたり、獣医さんに尋ねたりしていました。

その中で
「ポメハゲは見た目の変化が大きいけれど、
 健康そのものに大きな影響が出るわけではないよ」
と教えてもらったことがあります。

薬があることはあるけれど
「効くかどうかは、その子によってまったく違う」とも聞きました。

それを知ってから、私は治療を急がず
けんしの体のリズムを見守る選択をしました。
不安がすべて消えたわけではないけれど
「いまは、目の前のこの子を大切にしていけばいい」と
心が落ち着いていったのを覚えています。


ポメラニアンのイラスト

日々の暮らしの知恵

● 1. 冬のあたたかさを活かす

けんしの場合は、寒い季節に入ると、少し毛が落ち着く時期がありました。
すべての子に当てはまるわけではありませんが
季節の移ろいが、体に働くこともあるのかもしれません。

暖かい寝床や、おだやかな室温が、体のリズムを整える助けになることがあります。

・柔らかい毛布
・冷え込まない場所の確保
・エアコンの風が直接当たらない位置

こうした小さな工夫が、けんしには合っていました。

● 2. トリミング方法を「その子に合わせる」

バリカンが合わない子もいます。
けれど、ハサミなら大丈夫な子もいます。

トリマーさんに
「できればハサミでお願いできますか」と
伝えるだけで、けんしは落ち着きました。

● 3. シャンプーは刺激の少なさで選ぶ

刺激の少ないもの、洗い流しやすいものを選ぶと
皮膚がゆっくり呼吸してくれるように感じました。

香りが強すぎないもの
泡切れのよいものは、日々の負担が少なくなります。

● 4. 観察は「比べない」ために使う

他の子と比べず
昨日のけんしと今日のけんしを見ていく。
そんな使い方が、心をゆっくり整えてくれました。

原因不明のポメハゲを経験したから思うこと

ポメラニアンの後ろ姿が静かに佇む様子

ポメハゲは、原因が一つとは限りません。
治療しない選択をしている間の不安も
「この子のために何ができるだろう」と考える優しさの延長にあります。

ゆっくりでいいので、毛の変化だけでなく
眠っている姿、散歩の歩幅、息づかい
小さないまを見てあげて欲しいと思います。

同じ悩みの中を歩いている飼い主さんは
ほんとうに多いです。
ひとりじゃありません。

まとめ

ポメハゲは、すぐに答えが見つからないことがあります。
でも、焦らなくて大丈夫です。

少しずつ、季節のように変化していく姿を
その子のペースで見守っていけますように。

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