あまえんぼになったけんし|クールだった子犬が寄り添うようになるまで

けんしが少しずつ、甘えんぼになってきました。
ふと気づけば、いつも私のそばにいて、抱っこをせがむようになっています。
子犬のころは、むしろクールな子でした。
抱っこをすると、すぐに「もういい」と言わんばかりに降りたがり、自由気まま。
外に出たがって、勝手に玄関から飛び出してしまい、近所の方に保護されたこともありました。
あの頃は、人懐っこいけれど、どこか誰でもよかったような雰囲気もあったのです。
家族が帰ってきても「ふーん、帰ってきたんだ」という感じで、淡々としていました。
そんなけんしが、3歳を過ぎた頃から変わりはじめました。
気がつけば、私が動くたびについてくるようになり、目が合うとしっぽを振って喜ぶ。
今では、私が1階にいるのに自分だけ2階にいると、キュンキュン鳴いて呼ぶのです。
私が上に行けば「抱っこ」とせがみ、撫でていると、とろけるような顔をします。

寝るときは、もちろん私のベッド。
ときどき子どもたちの部屋で寝たり、自分用のふかふかベッドで眠る夜もあります。
家族もけんしと一緒に寝られる日は嬉しそうですが
動くと起きてしまうからと、気をつかうようです。
そんな話を聞くたびに、けんしがどれだけ家族の中心にいるのかを感じます。
あんなに自由だった子が、いまは安心できる場所を選び、そこで甘えてくれる。
それだけで、日常が少しあたたかくなります。
けんしの変化は、年月の重なりと、たくさんの愛情の証のようです。
