犬が布団を掘る理由と、夜に落ち着かせるコツ:安心できる習慣との付き合い方
夜、そろそろ寝ようとしているときに、犬が布団を一生懸命に掘りはじめる。
ふわふわの布団が、あっという間にくしゃっとなって
「あれ?何してるの?」と声をかけたくなるようなこと、ありませんか。
とくにシニア犬と暮らしていると、ふだんの動きや仕草にわずかな変化を感じるたびに、心配や気づきが生まれます。
「体に負担がかからないかな?」「興奮しすぎないかな?」
と気になりつつも、どこか愛おしい寝る前の可愛い儀式。
この記事では、犬が布団を掘る理由、興奮がおさまらない時に落ち着かせる工夫
そして、日々を過ごす飼い主としての想いをまとめます。
わが家の愛犬・けんし(13歳ポメラニアン)の体験を通じて、行動の背景や見守り方のヒントになれば嬉しいです。
犬が布団を掘るのは「本能」と「安心」の象徴
犬が布団を掘る行為は、もともと野生時代の巣作り本能の名残です。
穴を掘り、寝床を整え、安全な環境を自分でつくる。その習慣が、今も残っています。
また、布団を掘ることで匂いをつけ、自分だけの安心できる空間をつくっているともいわれます。
やわらかさや温かさ、ちょうどよい体勢を探すために、たくさん動くこともあります。
ふかふかであたたかい場所を整えるように布団を掘るのは、犬にとって「これで安心して休める」と感じられる大切な行動なんです。
犬が興奮しすぎるときの落ち着かせ方と環境作り

布団を掘ること自体は自然な行動ですが、勢いが強すぎて体が熱くなったり
はしゃぎすぎて疲れてしまうこともあります。
とくにシニア犬や、少し気持ちが高ぶりやすい子の場合は、環境づくりや声かけで
そっと落ち着かせてあげるのも安心です。
次のような工夫が効果的です。
- 落ち着く素材を使う
布団カバーや毛布を、少しハリのあるものに変えると、掘る動きが適度に抑えられます。 - 寝る前にスキンシップをとる
抱っこや声かけを通じて、リラックスのサインを伝えます。 - 「ここで休もうね」と声を添える
しずかな声で伝えるだけでも、人の気持ちが伝わることがあります。 - 手を添えてそっと止める
掘る手にそっとふれ、優しく受け止めることで、気持ちが落ち着くこともあります。
わが家のけんしも、寝る前のホリホリタイムになると、うれしそうに布団と格闘しながら
ごろんと横になり、しばらくすると、静かにまるまって眠ります。
もっと掘りたい気持ちと、安心して休みたい気持ち。そのバランスをさぐる時間が、大切な習慣になっています。
飼い主としての気づきと、けんしとの温かな時間
けんしが布団を掘る姿は、可愛らしくて、つい頬が緩んでしまいます。
一生懸命で、無邪気で、まるで子どものように布団に顔をうずめるような姿は、心をあたためてくれます。
同時に
「少し動きすぎかな?」
「今日は静かにできるかな?」
と考える瞬間もあり、見守る側にも小さな気持ちの揺れが生まれます。
でも、こうして一緒に気持ちを整えていく時間も含めて、犬と暮らすことの豊かさなのだと感じるようになりました。
その子らしさと、今できることの、ちょうどいい場所を探すことは、飼い主としての安心にもつながっていきます。
犬と布団とホリホリ。共にゆっくり眠るためのメッセージ

犬が布団を掘るのは、不思議な行動ではなく、安心して眠るための準備です。
その行動を知り、少しだけ寄り添い方を工夫することで
犬と飼い主の両方が、穏やかに夜を迎えることができます。
大切なのは、やめさせることよりも、違和感なく暮らしていける環境を整えること。
そんなふうに、今日をともに整えていけたら、それで十分なのかもしれません。
犬と布団とホリホリ。
それは小さな音のようでいて、いっしょに暮らす日々の中にある、安心のひとつなのでした。

