老犬介護で必要な準備とは?我が家の13歳老犬と暮らして感じたこと

老犬の介護を意識し始めたとき、何を準備すればいいのか迷う方は多いと思います。
若い頃とは違い、食事や体の動かし方、寝る姿勢までも、少しずつ変化していきます。
私も最初は「まだ大丈夫」と思っていましたが
気がつけば、日々の小さな工夫が欠かせなくなっていました。

この記事では、13歳のポメラニアン「けんし」との
暮らしを通して感じた、老犬介護で必要な準備をまとめます。

老犬介護で必要な準備が増える理由

犬も年齢を重ねると、筋力の低下や内臓機能の変化など
さまざまな面で若い頃と違いが出てきます。

たとえば、以前は食べていたフードが合わなくなったり
段差を避けるようになったりと、生活のペースが少しずつ変化します。
これらは自然な老化のサインであり、「整える準備」を始めるタイミングの目安になります。

老犬介護の準備とは、特別な介護用品を一気に揃えることではなく
今の生活に無理が出ていないかを見直し、少しずつ環境を整えていくことから始まります。

我が家で実際にそろえた老犬介護の準備

愛犬の暮らしを支える介護アイテムのイメージ

けんしの場合、体質や季節によって
必要なものが少しずつ増えていきました。
特に助かったアイテムは、次の通りです。

  • 低脂肪のシニア向けフード(膵臓への負担を減らすため、脂肪分の少ないものを選択)
  • フードをつぶすスプーン(消化しやすくするため、粒を少しつぶして与える)
  • 浅めのお皿(食べ残しを減らし、首を下げすぎない構造がポイント)
  • 食事用の台(地べたでは首や背中に負担がかかるため、自然な姿勢で食べられる高さに)
  • 腹巻き・専用の掛ふとん(冷え対策として。寝る場所も温度に合わせて調整)
  • 胴体用リード(首に負担をかけないタイプ。夏用・冬用で素材を変える)
  • 薬の仕分けケース(1回分ずつに分けておくと、与え忘れが防げる)
  • リュック型キャリー(避難や通院に備えて。けんしは苦手ですが「もしも」に備えて保管)
  • 車内用の簡易セット(おしっこシートやタオルなど、外出時も清潔を保てるよう準備)
  • 酸素吸入器(けんしが退院したばかりの頃、呼吸が浅くなる時間がありました。病院で紹介してもらったレンタル酸素室を使ってみると、息が楽になった様子が見られ、私自身も少し安心できました。)

酸素室は常時使うものではなく、「もしもの備え」として置いておくと心強いアイテムです。最近は動物病院が紹介する以外にも、自宅に届けてくれるレンタルサービスがあります。

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どれも一度に揃えたわけではなく
日々の変化に合わせて必要なものを足していきました。
家族と話しながら、「これがあれば少し安心だね」と思えるものを
少しずつ選ぶのが続けやすいと思います。

準備を進める中で感じたこと

老犬介護の準備は、物を増やすことよりも「気づくこと」が中心でした。

食べる姿勢や寝る時間、歩き方の小さな変化を見逃さないようにすることで
けんしの心地よさを保てるようになりました。

最初は不安や焦りもありましたが、整えることが「守ること」につながると感じてからは、気持ちも落ち着いていきました。

焦らず、少しずつ整えていけば大丈夫

老犬介護で必要な準備は、特別なものではありません。

日々の暮らしを少しずつ見直し、犬のペースに合わせて
整えていくことが何より大切です。

完璧でなくても大丈夫です。
大切なのは、いま目の前の子が安心して過ごせる時間を増やしてあげること
その積み重ねが、介護という言葉を「優しい日常」に変えてくれると感じています。